恐怖の精神的DV。被害者を苦しめ続ける後遺症と克服する方法。

精神的DVの被害者は自分を苦しめた加害者と別れることができても、その辛さを忘れることはできません。

心に負った傷が原因で、自信が持てない、人を信じられないなどの後遺症に長い間苦しむ人もいます。

目には見えない、周りからも気づかれにくい精神的DVは被害者をボロボロにして、時には生きる意欲すら奪ってしまう恐ろしい暴力なのです。

自分は悪くないと確信したい被害者

加害者が恋人であれ職場の上司であれ、相手は被害者に対して『お前は何をやってもダメだな』とか『お前みたいな人間は生きている価値がない』など、人格を否定するような発言をしてきました。

それによって被害者は『本当に自分はダメな人間なのではないか』と思い込んでしまったり、『何で私だけがあんな酷いことを言われたのだろう、私の何がいけなかったのだろう』と自分の悪いところを探してしまいます。

被害者に悪いところなんてなかったのに、精神的DVにより加害者の言うことが正しいと洗脳されてしまっているのです。

被害者は加害者と別れた後もこの疑問と向かい合っています。何度も向かい合うことで『自分は何も悪くない』と確信したいのです。

しかし、周りから『あなたは悪くないよ』『相手が全部悪いんだよ』と励まされ、被害者も少しづつ相手が悪かったことに気づきますが、自分はダメな人間だと思い込むほど洗脳されていた被害者にとってそれは決して簡単なことではありません。

精神的DVの後遺症

症状は人によって様々で、立ち直るために要する時間も人によって違います。

後遺症に多い症状は以下の通りです。

【自信をなくす】
被害者は何をしても加害者に認めてもらうことがなく、小さな失敗やミスでも執拗に責められていたため、何をするにも自信が持てなくなってしまいます。『どうせまた失敗する』『どうせ認めてもらえない』と頑張る気持ちさえ失われます。

【言いたいことが言えなくなる】
被害者が言ったことに対して加害者が突然怒り出したり不機嫌になったりするため、被害者は発言するのをためらってしまうようになります。人に話しかけるときには『この言葉を使っても大丈夫だろうか』と考え過ぎてしまいます。

【相手の顔色をうかがってしまう】
加害者を怒らせると自分に対する暴言がひどくなったり脅されたりするため、被害者は自分を守るためにも相手を怒らせないように常に顔色をうかがって接しています。それが習慣化されてしまうと相手が友達でも家族でも同じように相手の顔色を気にするようになります。

【フラッシュバック】
ふとした瞬間に加害者に怒られている場面を思い出したり、毎晩のように加害者の夢を見たり、相手はもう遠いところにいるはずなのにDVをされていた時のことが今起こっているかのように思い出されます。私は突然過呼吸になり、そこにはいないはずの元夫の声が聞こえてきて1時間以上苦しみました。

【対人恐怖症になる】
被害者にとって加害者は恐怖です。加害者に恐怖を刷り込まれた被害者はその後どんなにいい人に出会っても『この人もどうせ私を裏切る』『この人も私を悪く思っているのでは?』と疑心暗鬼に陥ります。

【病気になる】
精神的DVで受けたダメージはどんどん蓄積されます。最初は何でもなかったはずの体が頭痛や吐き気に悩まされたり、食欲がなくなったり、うつ病や自律神経失調症を発症する人もいます。職場で受けた精神的DV被害の症状が良くならず退職に追い込まれ、その後も働きに出るのが怖くて収入が得られないという人もいます。

私は元夫と離婚して2年が経ちますが、未だに改善されない症状があります。特に険悪な空気に耐えられなくて、ちょっとしたことでも意見が食い違うとすぐに謝って相手のご機嫌を取ろうとしてしまいます。

私は一生こうやってみんなの顔色を伺いながら生きていくんだろうかと莫大な不安に襲われることもあり、その度に自分が受けた心の傷の深さを思い知らされます。

精神的DVを受けた子供の将来

加害者が親で被害者が子供だった場合、子供も大人と同じように精神的DVによって自信をなくします。

頑張っても褒めてもらえない、他の子と比べられる、失敗すると激怒されるなどの経験は子供の心を深く傷つけます。

親は子どもにとって一番影響力のある存在です。その親から暴言を吐かれたり、可愛がってもらえない幼少期を送れば自分も大人になった時に同じように子供に接してしまいます。

また、精神的DVはより弱い者へと連鎖する傾向があります。

例えば父親が加害者で母親が被害者だった場合、母親は子供に対して『お前のせいだ』と精神的DVの原因を子供に押し付けてしまうかもしれません。

また、精神的に追い詰められた母親がネグレクトになり子育てを放棄してしまったという例もあります。

そうすると子供は『自分が悪いんだ』と自分を責めるようになってしまいます。

こういった状況から夜泣き、不登校、情緒不安定、無気力、無感動などの症状を引き起こし、これらも子供の将来に大きな影響を及ぼす後遺症と言えるでしょう。

後遺症から立ち直るために

先ほども書いたように被害者は『自分は悪くない』という確信を得たいと思っています。

きっと傷ついたあなたに優しい言葉をかけてくれる人はたくさんいるでしょう。

あなたを苦しめた加害者以外、あなたのことを無能だとか悪者だとか思っている人はいません。

しかし、いくら周りがそれを訴えても被害者本人が自信を取り戻さない限り、あなたはいつまでも被害者なのです。

加害者からの暴言やいじめを思い出した時は『辛かったね』と自分に寄添い『よく頑張ったね』と耐えた自分を褒めてあげてください。

また、被害者は加害者といることでたくさんの我慢をしてきました。加害者がいなくなった今、あなたは自由です。やってみたいと思うことにどんどんチャレンジしてみてください。

『どうせ失敗する』『またバカにされる』という恐怖に襲われたら『大丈夫だよ』と自分を応援してあげてください。

そして楽しいと思える時間を増やしていくことが大切です。

その他にもカウンセリングに行ったり、ヒーリングに癒しを求めたりするのもいいですね。

きちんとした食事をとり、しっかり寝る事も大事です。太陽の光を浴びるだけでも人はエネルギーがみなぎるそうです!

あなたの深い傷が一瞬で消えることはありません。しかし、自分を認めてあげることで少しずつ痛々しかった傷がかさぶたになっていくはずです。

まとめ

精神的DVで負った心の傷は加害者と別れても消えることはありません。後遺症という形で長い間被害者を苦しめます。

後遺症の症状は様々で、中には以前に受けた精神的DVが原因で社会復帰できなくなったという人もいます。

後遺症から立ち直るためにはまずは被害者自身が自信を取り戻すことが重要です。

加害者に言われた言葉やひどい態度を思い出し、涙やため息が出ても『私は何も悪くない』『私はよく頑張った』といつも自分の味方でいてあげてください。

また、後遺症を克服するためには周りの理解も必要です。

あなたの周りにはいい大人なのに働きに行かない人やいつもおどおどビクビクして何もやらない人はいませんか?

もしかするとその人には心に負った深い傷があるのかもしれません。

決して責めたりせず、話を聞いてあげてください。

 

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