子供に会いたい!精神的DVが原因で離婚した場合でも面会交流が認められるのか?

夫婦が離婚をしてどちらかが親権者になっても、もう片方の親にも子供に会う権利があります。これを面会交流と言います。

精神的DVが原因で離婚した場合には被害者は加害者に会うことに抵抗があるかもしれません。

面会交流は拒否することもできますが、その精神的DVの被害者が子供ではなかった場合、拒否しても認められる可能性は大変低くなっています。

面会交流の際に一番に考えなくてはいけないのは子供の気持ちです。

たとえどんな原因で離婚に至ったとしても夫婦がお互いに協力し合い、きちんと約束事を決め、それに従って子供との時間を大切に過ごしてください。

面会交流とは

20歳未満の子供がいる夫婦は離婚する際にどとらかが親権者となり、子供を引き取ります。

親権者は子供の幸せを第一に考えて決定されますが、子供の年齢や精神面への配慮などから現在は9:1の割合で母親が親権者になっています。

しかし、夫婦が離婚をして他人になったとしても、子供にとっては自分の父と母であることに変わりはありません。

面会交流とは親権者にならず子供と離れて暮らしている親も子供と交流することができる権利のことで、子供に会ったり、手紙や写真のやり取りができます。

両親が揃って子供と関わることは子供が幸せに成長するためにも必要だと考えられ、このような制度ができました。

子供と一緒に暮らす親を監護親といい(親権者と同じ人であることがほとんど)、離れて暮らす親を非監護親といいます。

面会交流を要請したい

子供との面会交流を希望する際には、相手の住所地のある家庭裁判所か、お互いに同意した家庭裁判所へ面会交流の調停の申立をします。

申立が済むと期日が決められるので、そこで子供の意見を尊重した話し合いをします。

もし当事者(代理人)同士の話し合いでの解決が困難であれば、裁判所が間に入り、話を進めてくれます。

話し合う内容は面会交流の方法や回数、場所など具体的なことで、場合によっては『調査官調査』や『試行的面接』が行なわれます。

調査官調査とは子供が面会交流についてどう思っているのか、面会交流をすることが子供にどんな影響を与えるのかを家庭裁判所調査官が調べることを言います。その結果が面会交流の回数や日時を決める際に利用されます。

試行的面接とは面会交流を試験的に行って、子供が非監護親にどのように接するかを観察することを言います。試行的面接は家庭裁判所調査官の立会いのもと、裁判所内のおもちゃや絵本がある専用の部屋で行われます。

試行的面接は通常一回しか行われません。そのため親子で温かな楽しい時間を過ごすことができればスムーズな調停の成立につながりますが、もしコミニュケーションがうまくとれなかった場合は面会交流ができなくなってしまう可能性もあります。

裁判所は面会交流について肯定的な立場ですが、以下のような場合は面会交流を認めてもらえません。

●子供が面会交流を嫌がっている
子供が監護親の影響を受けずに自分の意見をしっかり述べることができる場合、裁判所は子供の意見を尊重します。そのため子供が明らかに面会交流を拒否している場合は面会交流が認められない可能性があります。

●子供に悪影響がある
子供が両親の離婚問題の影響で不登校になったり、暴力を振るった場合は面会交流をすることによりさらなる悪影響が懸念されるため、面会交流が認められない可能性があります。

●監護親が面会交流を嫌がっている
子供が乳幼児の場合、監護親の協力は不可欠ですが、離婚の原因やそれまでの経緯によっては監護親が面会交流を嫌がる場合があります。その場合に面会交流を認めてしまうと子供の精神面に悪影響を及ぼす恐れがあるため、面会交流が認められない可能性があります。

●監護親の方針に不満がある
非監護親が監護親の方針に不満があると、面会交流をした際に非監護親が監護親を非難したり、監護親の方針に干渉する恐れがあります。これにより子供が不安定になったり監護親との信頼関係が崩れる恐れがあるので面会交流が認められない可能性があります。

●非監護親に問題がある
非監護親に薬物使用の疑いがある、非監護親が子供を連れ去る恐れがあるなどの問題行動が存在する場合は子供を危険にさらすことが予想されるので面会交流が認められない可能性があります。

●非監護親に対する恐怖
非監護親の暴力が原因で離婚に至った場合、監護親と子供は非監護親に対して強い恐怖心を抱いているため面会交流が認められない可能性があります。

面会交流を拒否したい

面会交流は子供と離れて暮らす非監護親の権利であり、監護親の権利ではありません。

離婚した相手と二度と会いたくないと思う気持ちも分かりますが、子供のことを考えてなるべく両親に会える環境を作ってあげましょう。

しかし、非監護親が監護親に対しても子供に対してDVをしていた場合は面会交流を拒否しましょう!このDVには身体的な暴力も精神的な暴力も含まれます。

この場合に面会交流をすることは、会ったらまた殴られるんじゃないか、会ったらまた酷いことを言われるんじゃないかと監護親と子供を恐怖に陥れます。

ただ、DVをされていたのが子供ではなく監護親のみだった場合、拒否するのは難しいと言えます。

監護親も配偶者からのDVに傷つき怖い辛い思いをしてきたので、非監護親に会うことにはかなりの不安と恐怖に襲われます。

しかし、非監護親と定期的に会うことは子供の健全な成長や福祉に必要という考えから、夫婦の間にDVがあったとしても子供に被害がなかった場合は面会交流を拒否することはできないことが多いです。

また、面会交流を拒否する際には、それなりの代償を払わなくてはいけないので注意です。

面会交流について決まったことは調書として残ります。この調書に違反すると非監護親が履行勧告の申立をするかもしれません。

履行勧告とは裁判所が監護親に対して『子供に会わせなさい』と注意してくれる制度のことで、無視を続けていると家庭裁判所調査官から電話がかかってきたり訪問されることもあります。

監護親が履行勧告に応じなかった場合は間接強制の申立をされる可能性があります。間接強制とは『子供に会わせないならお金を払いなさい』という命令です。

この間接強制も無視すると給料や銀行口座を差し押さえられることになります。

面会交流の際に気をつけること

非監護親は久しぶりに会う我が子におもちゃを買ってあげたり、お小遣いをあげたくなったりしますが、それらの行為は監護親にとっては『子供の気をひこうとしている』とあまりいい印象を与えません。

非監護親は監護親の方針を尊重し、もし何かあげたいものがあるなら事前に監護親に伝えておくといいでしょう。

夫婦の不仲が原因で離婚に至った場合には、離婚後も相手に対する不満が解消されていない場合も多いと思います。

そのような時に面会交流をするとお互いに相手への愚痴を言いたくなりますが、子供の前でお互いの悪口を言うのは絶対にしないようにしましょう。

何度も言いますが、離婚しても子供にとっては大切な両親です。悪口を聞かせれた子供がどんなに傷つくか考えましょう。

また、子供に相手のことを探るような質問をするのもあまり良くありません。

監護親は非監護親に子供の学校での様子や最近の出来事についてきちんと伝えてあげるのも大切です。

非監護親は監護親から聞いたことを元に『逆上がりができるようになったんだってね』『テストで100点とったんだってね』と子供のことを気にかけていると分かるような会話をすると子供も愛情を感じることができると思います。

面会交流をするときには何のための面会交流なのかを考え、子供が楽しい時間を過ごせるように努めましょう。

精神的DVを見てきた子供の気持ち

どんなに小さい子供でも両親のことをよく見ています。

配偶者による暴行は被害者だけでなく、それを見ていた子供にも辛い思いをさせています。

精神的DVは殴ったり蹴ったりするわけじゃないから子供には分からないだろうと考える親もいますが、精神的DVも子供はきちんと理解しています。

私は長い間子供と関わる仕事をしていました。まだ3歳の子供だって両親のケンカの内容やお互いの発言をしっかり覚えていて私に話してくれました。

子供は母親に暴言を浴びせ脅迫紛いな行いをする父親に対し『パパがママをいじめた』と悲しい気持ちになります。

父親を邪魔者扱いして居場所を作らない母親に対し『ママはパパが嫌いなんだ』と寂しい気持ちになります。

精神的DVが始まると子供はいつもそんな悲しみや寂しさと戦っているのです。

離婚をしてもこの記憶が子供から消え去るわけではありません。夫婦は精神的DVが自分たちだけの問題ではないということを忘れてはいけません。

まとめ

面会交流は子供と離れて暮らす非監護親のための権利ですが、第一に考えなくてはいけないのは子供の気持ちです。

面会交流が決まってせっかく非監護親に会えることになっても夫婦が協力的でなければ楽しい時間を過ごすことはできません。

監護親と非監護親は夫婦ではなくなりましたが、自分たちは一生親であるということを忘れず、子供が幸せだと思える時間を一緒に作ってあげましょう。

精神的DVで離婚に至った場合、加害者である非監護親に会うのは被害者にとって勇気のいることで大きな不安や恐怖が付きまといます。

その時は一人で頑張ろうとせず、信頼できる家族や友人につきそってもらい自分の安全も守りながら面会交流に臨んでください。

 

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