不妊は離婚理由として認められる?慰謝料が請求できるケースとは?

結婚したら子供がほしいと思っている人は多く、子供が生まれたらこんな服を着せたい、こんなところに連れて行きたい、こんなことをしてあげたいと幸せな未来を想像してウキウキしたりしますよね。

しかし、残念ながら妊娠を望んでいる夫婦が絶対に子供を授かれるという保証はなく、現在の日本では7組に1組の夫婦が不妊で悩んでいると言われています。

夫婦にとってこの壁は高く、不妊が原因で離婚してしまうケースも少なくありません。

この場合、2人が合意すれば不妊は離婚理由になりますが、不妊の原因がどちらか一方にあるとしても慰謝料の請求は難しいでしょう。

妊娠に対する気持ちの温度差

子供がほしいと思う気持ちは同じであってもその強さに夫婦で温度差があると、だんだんと溝ができてしまいます。

特に女性は妊娠を望んでいる人が多いので何がなんでも子供がほしいと思っているのに対し、男性はできたら嬉しいけどできなかったら2人の生活を楽しめばいいやと楽観的考えていることも少なくありません。

そうすると妻と夫の妊娠に対する行動が変わってきます。

排卵日をチェックしたり基礎体温の測定を欠かさない、食べ物に気をつけるなど妊娠のためにいろいろ努力する妻と何もしない夫。

妊娠は1人ではできないのに協力してくれない夫に妻は不満を募らせます。

部活や仕事も同じですよね。達成したい目標に対する気持ちに温度差があると練習や取り組みに差がでます。

一生懸命頑張ってる方はちゃんとやらない方にイライラしますよね。

いい結果を出せるのは誰か1人が頑張ったチームではなく全員が頑張ったチームです。

目標を達成するためには夫婦が同じくらい熱い気持ちで取り組むことが必要です。

不妊治療は成功率100%ではない

不妊で悩んでいる夫婦は多いですが、不妊治療の末に念願の赤ちゃんを授かったという人もたくさんいます。

私の周りにも時間はかかりましたが夫婦で不妊治療を頑張り、やっとパパとママになった友達がいます。

ですが、不妊治療の成功率も100%ではありません。何年治療を続けても妊娠できない人がいるのも事実です。

そのような人たちにとって友達の妊娠報告は嬉しい反面、惨めさを感じることもあるでしょう。

子連れの友達と会うたびにかわいいと思う反面、悲しい気持ちにあることもあるでしょう。

そんな自分を嫌な奴だと思ってしまい、余計に腹立たしくなることもあるでしょう。

不妊治療はお金がかかるだけでなく、長い時間と痛みを伴います。『こんなに辛い思いをしてるのになんで私には子供ができないの?』と治療を投げ出したくなったり、『もう妊娠できないんじゃないか』と不安になったりと、不妊治療が大きなストレスになってしまうことも十分にありえます。

そうすると日々の生活にも悪影響を与え、夫婦関係が冷めてしまう原因になってしまいます。

不妊は離婚理由になるか

お互いが合意すれば不妊で離婚することは可能です。

しかし、どちらかが離婚に納得できず、離婚調停になった場合、『不妊だから』というだけでは離婚理由として認められません。

不妊によって夫婦関係が破綻してしまったのなら、その経緯を離婚の原因とするべきです。

例えば不妊が原因で、夫が性行為を拒否するようになった、妻が不妊治療に一生懸命になりすぎて夫をないがしろにするようになったなど夫婦関係がうまくいかなくなった出来事は『婚姻を継続し難い重大な事由』に該当します。

そこで初めて不妊が離婚理由につながるのです。

しかし、子供は授かりものです。離婚して新しいパートナーを見つけたからといって必ずしも妊娠できるとは限りません。

人は悩み事があるとどうしてもそのことばかりを考えて気分が重くなってしまいがちですが、そのために判断を誤まったり誰かを傷つけてしまうのはもったいないことだと思います。

また、不妊が原因で離婚しないためには結婚前にブライダルチェックをしておくといいでしょう。

3〜5万円の費用がかかりますが、自分がちゃんと妊娠できる体かどうかを調べることができ、近年はカップルでブライダルチェックを受ける人も増えています。

2人にとって子供が絶対条件であるのなら、先に調べておき、万が一どちらかに原因があって妊娠が不可能なのであれば結婚前に別れるのも大切だと思います。

不妊で離婚する時の慰謝料について

不妊が原因で離婚する場合の慰謝料ですが、これはほぼ請求できないと言っていいでしょう。

誰も好きで不妊になったわけではありませんし、不妊の原因がはっきり分からない場合はどっちが悪いと決めることもできません。

どちらか一方に離婚の原因がある場合は慰謝料が請求できますが、先ほども書いたようにまず不妊というだけでは離婚理由にならないため、たとえ妻に不妊の原因があったとしても慰謝料の請求は難しいでしょう。

しかし、不妊が原因で起こった『婚姻を継続し難い重大な事由』に対しては慰謝料の請求ができる場合があります。

例えば、不妊の原因がある妻に対して夫が暴言を吐いたり妻を責めるようなことばかりをしたなどは妻にとって大きな苦痛であり精神的DVと言われてもおかしくありません。

夫の行為が精神的DVだと認められた場合は50〜300万円の慰謝料請求が可能です。⇒精神的DVが原因で離婚。慰謝料の相場はいくら?離婚後でも請求することが可能!

また、治療に協力してくれない夫が家に帰ってこなくなった、生活費を出してくれなくなったなどは悪意の遺棄に該当します。

この場合も50〜300万円の慰謝料請求が可能ですが、悪意の遺棄と認められた判例が少ないので金額は内容によって変わってくると思います。⇒悪意の遺棄による離婚。その時の慰謝料は?離婚理由にならない場合もあります!

不妊の原因がある方から慰謝料が取れるというのは間違いです。もしどうしても『子供が欲しい。子供ができないなら別れる!』というのであれば解決金を支払って別れてもらうしかないでしょう。

離婚しないための対策

結婚前にブライダルチェックをしても100%妊娠できるとは限りませんが、検査をしておくことは無駄にはならないと思います。

子供ができにくいと分かって別れを決めるカップルもいるでしょうし、子供はできなくても二人で仲良く暮らそうねと最初から子供は作らないつもりで結婚する夫婦もいると思います。

お互いに同じ未来像が描けていればたとえ不妊治療の結果がでなくてもそれが原因で離婚する確率は低くなります。

結婚してからなかなか赤ちゃんができなくて不妊治療を始める場合でも、お互いがどれくらい子供を望んでいるのかを真剣に話し合う必要があります。

最初に書いたように夫婦の考え方に温度差があれば夫婦関係はギクシャクしてしまいます。

頑張るならどちらか一方ではなく二人で頑張るべきです。そして、できるなら頑張る期限を決めておくといいでしょう。

やはり頑張り続けるのは気力も体力もお金も削られます。1年頑張ってダメだったら体外受精や顕微授精に挑戦する、2年頑張ってダメだったら養子縁組をするなど期限を決めておくといい結果がでなかった時も希望を捨てずにすみます。

自分の本当の子供じゃなきゃ嫌だという人もいるかもしれませんが、養子縁組で幸せな家庭を築いた人だってたくさんいます。

自分と配偶者の遺伝子を残すために子供が欲しいと考えているのであれば養子縁組はオススメできませんが、家庭を築きたい、子供がいる生活を送りたいと思っているのであれば、養子縁組は素敵な決断だと思います。

まとめ

不妊で悩んでいる人にとって友達の妊娠出産報告は決して嬉しいだけのことではありません。羨ましく感じて当たり前です。

周りからの『子供はまだなの?』『早く孫の顔が見たい』という言葉にもだんだん追い詰められていきます。

赤ちゃんを授かれないということは子供を望んでいる夫婦にとって大きなストレスになってしまいます。

ストレスがたまると楽しいことが考えられなくなったり、悲観的になったり、妊娠できないことで相手を責めてしまったり良好な夫婦関係を築いていくのは難しくなります。

不妊というだけでは離婚理由になりませんが、不妊によって夫婦関係が破綻した場合は離婚理由として認められます。

不妊で離婚する場合に発生する慰謝料は不妊の原因がある方に請求できるわけではなく、不妊に理解を示さない配偶者の態度が慰謝料の対象になる可能性もあります。

子供ができないのは寂しいかもしれませんが、子供が全てではありません。

離婚を決意する前に夫婦の目指す未来についてもう一度話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

こちらの記事もご覧ください⇒子供がいらない、欲しいだけでは離婚理由にならない!子供がいる幸せといない幸せ。