精神的DVの被害者は加害者に洗脳されているため、加害者が異常なことに気づいてなかったり、自分が我慢すればいいと思っていたりしてその環境を変えようとすることはありません。
しかし、毎日のように繰り返される配偶者からの精神的DVは被害者をどんどん追い詰めていき、いつか必ず心が崩壊します。
その時は迷わず加害者の元を離れてほしいのですが、できることならあなたの心が壊れる前に安全で安心できる場所に逃げてください。
経済的な不安や子供のこともあり離婚が難しい場合でも、まずは別居をして本来の自分を取り戻しましょう。
そのあとのことは別居してから考えても遅くありません。
我慢しないで別居する
精神的DVの加害者と被害者は王様(女王様)と奴隷の関係です。
奴隷は王様の言いなりです。逆らったら罰を与えられます。
精神的DVの被害者も加害者に逆らってはいけないというのが暗黙のルールです。もし加害者の言うことに少しでも意見をしたら加害者はあなたに対して罰を与えます。
また、加害者は不都合な出来事の責任をすべてあなたに押し付けます。『パチンコに負けたのはお前があの時電話してきたせいだ』『仕事で失敗したのはお前が作ったお弁当を食べてお腹を壊したせいだ』と無理やりあなたが悪いという理由を作ります。
さらに加害者は、自分のストレスを発散するために物を投げたり壊したりしてあなたを怖がらせます。
気に入らないことがあると『お前はダメな人間だ』と人格を否定します。
被害者は毎日繰り返される精神的DVにより、加害者に怯えて暮らすようになり、やがて心の病気を発症してしまう可能性もあります。
辛い、苦しいと感じたら誰かに相談してください。まずは自分が精神的DVを受けていると気づくことが大切です。
自分が被害者だと分かったら迷わず家を出てください。これ以上の我慢はあなたから生きる気力さえも奪います。
子供がいる夫婦が別居する時に気をつけること
子供を連れて別居する時には気をつけなくてはいけないことがあります。
それはその別居が『違法な連れ去り』になっていないかということです。
以下のような場合は違法な連れ去りに当たる可能性があります。
・ある日突然、無断で子供を連れて別居した
・子供の面倒をどちらが見るか決まらないうちに子供を連れて別居した
・別居後に監護親と子供が住んでる家に来て無断で子供を連れ去った
・子供の幼稚園や学校に行って子供を連れ去った
・子供を家まで連れて行き、その後監護親の元に返さなかった など。
上の例を見てもらうと分かるように、夫婦間での話し合いができていないのに子供を連れて別居してしまったり、誘拐のような形で別居後に子供を連れて行ってしまうことは違法とみなされます。
違法な連れ去りをすると、もう片方の親に子供を引き渡すように裁判所から命令されたり、離婚する際に親権が取れなくなってしまう可能性があります。
ただ、加害者のDVがひどい、命の危険を感じる、子供にも被害が及んでいるなどの場合には別居したいと加害者に伝えると相手を怒らせ余計ひどい目にあう可能性もあります。
一番大事なのは自分と子供の安全なので、話し合いが不可能な場合は黙って家を出ましょう。
その時は警察やシェルターなどに助けを求めて下さい。一時的に保護してもらうことが出来ます。
また、別居した後は子供の気持ちや健康面、生活面にも十分な配慮をしてあげなくてはいけません。
家族で暮らせなくなってしまった子供は悲しい思いをしています。新しい環境に不安を感じています。
子供が安心して生活できるようにしっかりケアしてあげるのも親の務めだと思います。
婚姻費用を請求できる
別居をすると生活費がかかります。
夫が加害者、妻が被害者で妻が家を出て行く場合、妻にも十分な収入があれば別居をしても経済的に困ることはないかもしれませんが、被害者が専業主婦だったり収入が少ない場合は一人で生活していくだけのお金を用意しなくてはいけません。
そのお金がないからと別居に踏み切れない被害者もいます。
この場合は婚姻費用を請求することができます。婚姻費用とは家賃や食費、交通費など別居中にかかる生活費の事で、収入の多い夫が妻に対して払うのが一般的です。
婚姻費用は夫の年収や子供も一緒に別居しているかなどによって変わってきますが、平均は1ヶ月3、4万〜15万円くらいです。
もらえる婚姻費用が少ないと妻自身も仕事を始めたり、もっとお給料のいい会社への転職を考える必要があります。
しかし中にはこの制度を利用して自分が働ける状態にも関わらず、高額の婚姻費用をもらおうとする妻もいます。
婚姻費用を決定するのは裁判所なので、企みがばれると減額を言い渡される場合もあります。
別居して自分を取り戻す
私は元夫から無視されたり、理不尽なことで責められたりなどの精神的DVに耐えられなくなり別居をしました。当時は本気で自殺を考えました。
でも、自分で出て行ったのに、最初はとても寂しくて夫の家に帰りたいと思っていました。
これが精神的DVの恐ろしいところで、被害者は加害者に依存してしまっているのでまた戻ろうとしてしまうのです。
しかし、時間が経つにつれてだんだんと夫に怯えなくていい穏やかな毎日に幸せを感じられるようになりました。
その時は仕事も辞めていたので、友達と遊んだり、凝った料理を作ってみたり、一日中寝てたり(笑)
今まで怒られるからと我慢していた買い物にも行って、大好きなお洋服をたくさん買いました。
俺が見たくないからと見せてもらえなかったテレビも見ました。彼と一緒にいた時に我慢ばっかりしてたことが自由にできるようになり、私は少しずつ自分の好きな物ややりたかったことを思い出し、本来の自分を取り戻していきました。
自分でも分かるくらい笑顔も増えました。
そしてようやく彼が私にしていたことが精神的DVだったんだと気付きました。
そのおかげで離婚する決意もできたし、これからの人生に希望を持つことができました。
別居することに不安や迷いがあるのは当たり前です。しかし、精神的DVの加害者と一緒にいる限り、被害者は正常な判断をすることができません。
一度自分の状況を客観的に見て自分の正直な気持ちと向き合うためにも別居は必要なことだと思います。
まとめ
精神的DVの加害者と同棲をすること、結婚をすることは地獄の始まりと言ってもいいくらい辛いことの連続だと思います。
一緒に住んでいてあまりにも大きな苦痛を感じるようであれば、その生活を無理して続けることはありません。
一度加害者から離れて自分を労わり、自分の本当の気持ちに耳を傾けてあげることが必要です。
子供がいる場合の別居には抵抗があるかもしれませんが、壊れた家庭環境のもとで子供を育てていくことがいいわけではありません。
子供の心のケアをしっかりしてあげることができれば、別居も幸せな選択になるはずです。
また、別居したからといって必ず離婚につながるわけではありません。
加害者と離れてもなお、あなたが加害者と夫婦生活を続けたいと思うのであればその為の方法を探したらいいのです。
離婚をするかしないかではなく、まずは自分がこれ以上傷つかないように別居に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
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