精神的DVは風邪やインフルエンザなどの病気ではありませんが、心が弱った状態であることは間違いありません。
もちろん被害者の心はボロボロですが、実は加害者も心に抱えた闇が原因でDVをしてしまっている可能性があります。
『病院に行くほどのことなのかな』『病院に行ったからって何か変わるのかな』と考える人もいますが、病院には被害者のことも加害者のことも救ってくれる医師がいます。
すぐに治る薬や治療法はありませんが、あなたの心が回復するまで一緒に頑張ってくれる存在がいるということはとても心強いことですよね。
実際に病院に通って回復、改善したという人もたくさんいるので一度受診してみることをオススメします。
被害者を助けてくれる病院

精神的DVの被害者は『自分は精神的DVに遭っている』と自覚していない人が多く、鬱のような状態で病院を受診することが多いそうです。
何に対してもやる気が起きない、いつも不安を感じている、あまり良く眠れないなどの症状で病院に来て、医師がその原因を探っていくと、精神的DVに遭っていると判明します。
頭が痛い、お腹が痛いなどの症状はもちろん内科を受診するのがいいのですが、その症状が精神的DVからきているのであれば、根本的な部分を治さない限りまた同じ症状が現れます。
この根本的な部分というのは被害者の心のことです。被害者は加害者によって心に大きな大きな傷を負っているのです。
心のケアをするためには精神科や心療内科を受診しましょう。
精神的DVを一人で乗り越えることはとても大変です。誰かの助けがなければあなたは『もう死んでしまいたい』とまで思いつめてしまうかもしれません。
この助けになってくれるのが病院です。病院は周りからは見えない心の傷をしっかり診てくれます。
特効薬があるわけではありませんが、必要があれば睡眠導入剤や安定剤なども処方してくれます。
時間はかかりますが、あなたの心が元気になるための治療をしてくれるので、根気よく通って治していきましょう。
また、診断書をもらっておくと裁判になった時に証拠となるので病院で精神的DVと判断された場合は診断書ももらっておきましょう。
自分にあった医師を見つける
誰にでも自分と合う人、合わない人がいます。それは医師も同じです。
せっかく病院に行っても診察してくれた医師に対して被害者が不信感を持ったり、十分に自分の気持ちが伝えられないと治療が苦痛になってしまいます。
私は精神的DVで悩んでいた時、やはりうつ病のような症状が出ました。その時は病院ではなく電話相談やカウンセリングに行きましたが『あなたもこうすればよかったのに』という人もいれば『辛かったね、今までよく頑張ったね』と言ってくれた人もいました。
言うまでもなく、前者に相談した時は余計に落ち込み相談したことを後悔しました。
精神的DVの被害者は本当に苦しんでいます。誰かに助けてほしくて相談してるのにダメ出しをされたらメンタル崩壊です。
病院や医師を選ぶときはこの点にも注意していただきたいと思います。
決定的な理由がなくても構いません。もし『なんとなく嫌だな』と感じたら他の医師に診てもらったり、病院自体を変えたりして『この先生と頑張っていきたい』と思える医師を見つけてください。
加害者を治療してくれる病院
加害者も精神的DVを治したいという気持ちがあれば病院で治療することができます。
精神的DVは加害者にとっても心の問題なので、精神科やメンタルクリニックを受診するのがいいでしょう。
精神的DVをしてしまう原因はいくつかあります。ストレスからくるもの、アルコールや薬物依存、過去の経験などきっかけになるものは人によって違います。
そのため、治療法も様々です。ストレスの場合には加害者の心のケアも重要になりますし、過去の出来事がトラウマになっている場合はそれを取り除いていかなくてはいけません。
アルコールや薬物が関係している時は強制的に入院をして、摂取できない状況を作り、欲求をコントロールする力を身につけたりもします。
治療は加害者にとっても大きなストレスになると思いますが、誰かに手伝ってもらわない限り改善は見込めません。
治したいという気持ちがあるのなら迷わず病院を受診しましょう。
周りが変わると加害者も変わる
加害者も病院で治療を受けることはできますが、やはり自分の気持ちを強く持たないと途中で挫折してしまったり、油断してまたDVをしてしまう可能性があります。
また、病院に行くことで改善は見込めますが完治するのは難しいと言えます。
そんな時は周りの人が加害者を更生させていかないといけません。
加害者が精神的DVをした時、周りはそれを容認してしまっていることが多いのです。
精神的DVは夫婦間でも職場でも友達の間でも起こっていることで『あの人は怒ると怖いから逆らわないようにしよう』『あの人の言うことを聞かないといじめられるから従おう』と周りが加害者を王様扱いしているため、加害者は自分の行いを改めようとしません。
なので、精神的DVを止めさせたかったら加害者に対して嫌なことは嫌だとはっきり主張したり、自分だって怒るんだということを態度で示す必要があります。
いつも言いなりだった妻が睨み返すだけで怯む夫もいます。
ただ、反抗することはとても勇気のいることだし、何百倍の仕返しをされる可能性もあります。
一人で立ち向かうのではなく、周りの人みんなで加害者への態度を改めましょう。その方が加害者も自分の行いを改めるきっかけになります。
まとめ
精神的DVは病気ではないかもしれません。
病院に行ったからといって加害者のDVがすぐに治るわけではないし、被害者の心の傷が消えるわけでもありません。
だけど、病院には一人では改善することが難しい問題を一緒に解決してくれる医師がいます。
被害者は自分が精神的DVにあっていると確信がなくていいのです。
やる気が起きない、眠れない、集中できないなどどんな些細なことでも構わないので、なんだか生活しにくいなと感じる症状があれば早めに病院に行ってください。
加害者も病院で治療を受けることができます。治療のために大切なのは自分の意思です。
『絶対に治すんだ』という強い気持ちを持って医師と一緒に頑張りましょう。
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