言葉のDVは人を傷つけ精神的に追い込むとても恐ろしい行為です。
大好きな彼から毎日のように攻撃的な言葉で罵られたら辛いですよね。
言葉のDVは治療すれば治る可能性もありますが、そのためにはきちんとした機関で診てもらう必要があります。
また、本人が言葉のDVに関してどのように考えているかが重要になってきます。
そもそも言葉のDVをする人は病気なのか
言葉のDVやモラハラ、いじめをする人には共通する特徴があり、それは『自己愛性人格障害』という障害の症状と一致します。
自己愛性人格障害とは『ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害』で、特効薬はなく、年齢とともに悪化すると言われています。
また、何か不都合なことが起こった時に他人のせいにしてしまうのは『新型うつ』の症状とも考えられます。従来の鬱が何でも自分が悪いと思い込むのとは逆で、新型鬱は何でも他人のせいにします。
新型鬱の原因は、いきすぎた自己愛にあると最近の研究で明らかになり、思い描いている自分と現実の自分との間で折り合いをつけられなくなると『自己愛性人格障害』を起こします。
言葉のDVをする人全員がこの障害に当てはまるとは言えませんが、可能性の一つとして頭に入れておくことは大切だと思います。
言葉のDVをしてしまう原因を明確にする
言葉のDVを治療するためにはまずは原因を見つけることが必要です。
人によって原因は様々ですが、その中でも代表的なものがこちらです。
アルコール依存
これを読んでいる人の中にも、お酒を飲みすぎて記憶をなくしたり、素面の時には考えられないような恥ずかしい行動をしてしまったという人も多いのではないでしょうか。
笑って済ませられるレベルなら問題ないのですが、中にはアルコールを摂取することで自制心がきかなくなり、攻撃的になってしまう人がいます。
私の祖父もその一人で、普段はとても穏やかで優しいのですが、お酒を飲むと別人のように大騒ぎしていました。
アルコールの他にも麻薬や覚醒剤を使用している場合があるので注意しましょう。
ストレス発散
仕事や人間関係でストレスがたまっているケースです。
上手く解消させることができないと自分より弱い相手を攻撃してストレスを発散しようとします。
良識の欠如
言葉のDVやモラハラをする人は過去に自分も同じ体験をしている場合が多いです。
それが当たり前の世界で生きてきたため、残念ながら一般的な良識が欠如しており、相手を傷つけることに対して悪いという認識が持てないのです。
感情の表現も苦手なため、自分の気持ちを理解してもらおうとする強い気持ちが言葉のDVとなって表れている場合もあります。
本人の改善しようとする気持ち
言葉のDVの治療には本人がその行為を治したいと思っているかどうかが重要です。
相手を傷つける発言は決して良いことではありませんが、言ってしまった本人が『悪かった』と認識できているのなら治療して改善できる可能性があります。
そういう人ならば積極的に精神科や専門機関に行ってくれるし、日常生活においても本人が意識するだけで攻撃的な発言はだいぶ減ると思います。
しかし、言葉のDVをする人の中には『自分は正しいことをしている』『相手のためを思って言っている』と罪の意識を持たない人もいます。
そのような考え方の人には治療を勧めても怒られるのが想像できます。本人に治療する気がないのなら法的機関に助けを求めるしかありません。
治療法
治療法は原因によって違います。
過去の出来事や育った環境などに原因がある場合は、カウンセリングが効果的です。また、更生プログラムに参加することで、少しずつ感情を取り戻していく作業を行います。
アルコールや覚せい剤が原因の場合は、原因物質の摂取を止めるしかありません。そのためには何よりも本人の『やめるぞ!』という意志も大切ですが、それだけでは挫折してしまうことも多いので家族や周りの人の協力が不可欠です。
それでも難しい場合には入院をしたり、薬を使って治療するという方法もあります。
ストレスが原因なら、環境を変える必要があります。
勇気がいりますが思い切って転職をするのもいいでしょうし、何もかも手放して好きなことだけにのめり込んでもいいと思います。
どうしても環境が変えられないのならストレスをため込まないために適度に発散させる工夫が必要です。友達に愚痴を聞いてもらったり、カウンセリングを受けてストレスへの対処法を教えてもらったり、とにかく現状を変える努力をしなくてはいけません。
本人に治したいという気持ちがあればこのような治療にも積極的に取り組んでくれると思いますが、本人に治そうという気持ちがなければ治療を受けさせるのは難しいでしょう。
彼女や妻からの説得を聞き入れてくれる場合もありますが、話を持ちかける側からしたら自ら地雷を踏みにいくようなもの。とても勇気のいる行動です。
なので、話し合うときには第三者に入ってもらうといいかもしれません。友達や家族で構わないので第三者を入れて彼が理不尽に怒り出さない環境を作りましょう。
もしそれでもダメな場合は法的手段も考えなくてはいけません。きちんと弁護士さんを挟んで、自分がどれだけひどいことをしているのか彼に分かってもらう必要があります。
まとめ
言葉のDVには風邪薬のような特効薬はないし、放っておいたからといっておさまるものでもありません。
でも、カウンセリングを受けたり、更生プログラムに参加したりすれば治る可能性は十分にあります。
被害者は自分一人でなんとかしようとするのではなく、そのような機関があることやカウンセラーを彼に紹介して行ってもらうように働きかけましょう。