言葉のDVは大人同士、子ども同士で起こるとは限りません。
親からの言葉のDVに苦しんでいる子どももたくさんいます。
最近は毒親という言葉も耳にするようになり、言葉のDVにとどまらず、虐待をしたり、死なせてしまったりという事件が後を絶ちません。
あなたは自分はそんなことしないと言いきれますか?
この記事の内容
ひどい言葉をぶつけてしまう理由

自分がお腹を痛めて生んだ我が子、大好きな人との間に授かった我が子が可愛くないわけありませんよね。
しかし、そんな可愛い我が子に冷たい言葉を浴びせ、心をズタズタにしてしまう親がいるのは事実です。
親が子どもに言葉のDVをしてしまう理由はいくつか考えられます。
一つ目は自分も親にひどい暴言を吐かれて育った場合です。
小さい頃からそんな環境にいるとそれが当たり前だと思ってしまい、自分も同じように我が子に接してしまいます。
次に、子育てに対しての不安が強い場合。
特に第一子の場合は何もかもが初めてで親にとっては試練の連続です。
言葉のDVをしてしまう親は立派な子どもを育てなくてはと焦ってしまったり、他の子どもと比べて劣っている部分を悲観的に捉えてしまいます。
こうして自分をどんどん追い詰めてしまい、上手くいかないイライラから子どもに八つ当たりしてしまいます。
子どもに過干渉なのが原因の場合もあります。
子どものことが心配で常に監視したり、なんでも自分が決めてあげないと気が済まなかったりすると、子どもが自分の思い通りに行動しなかった時についカッとなって怒ってしまいます。
また、子どもに嫉妬する親もいます。
子どもが自分より出世することや綺麗になっていくことが気に食わなくて、ひどい言葉で罵ったりします。
子どもへの影響
言葉のDVを受けて育った子は自己否定的になりやすく、『自分はダメな人間なんだ』と何をするにも自信が持てなくなってしまいます。
精神的にも不安定で、自分と周りを比べて劣等感を感じたり、常に周りの顔色を伺ってしまうため、自己主張もなかなかできません。
素直に喜んだり、悲しくて泣いたりという感情の表現も乏しくなります。
暴言を吐かれても『自分が悪いから仕方ない』と自分を責めてしまい、反抗することもできません。
言葉の暴力が当たり前の環境で育ってしまうとそれ以外の気持ちの表現方法が分からず、自分が親になった時に同じように子どもに接してしまいます。
また、言葉のDVを受けて育った子どもとそうでない子どもを比較した場合、脳の発達にも違いがあるという研究結果もあるそうです。
毒親になりやすい人の特徴
恩着せがましい
モラハラ夫が『誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ』という発言をするのと同じで、毒親も『誰のおかげでここまで大きくなれたと思ってるの?』と自分が育ててあげてるんだと恩を売ろうとします。
もちろん育ててくれる親がいるから子どもが大きくなれるのですが、これは恩着せがましい発言ですね。
わざわざ言わなくても成長のするにつれ、子どもはそれをちゃんと感じて感謝していくはずです。
子どもを所有物として扱う
自分の子どもにはこんな人生を送ってほしいと親だからこその願いがあると思います。
しかし、子どもにはちゃんとした人格や性格があり、親の思い通りにいかないこともたくさんあります。
そんな時、毒親はああしろ、こうしろと何でも口出しをして子どもの自由を奪ったり、イライラして『何で言うことを聞かないの?』と怒ったりします。
子どもは親の所有物ではありません。子どもにも自分で考えて自分で行動する自由があるのです。
親子の会話がない
親子間にはコミニュケーションがとても大切です。
どんな小さな赤ちゃんだって親の表情や声色やスキンシップからたくさんの愛情を感じ取ります。
しかし、今はそのコミニュケーションが取れていない親子がたくさんいます。
子どもを1人で遊ばせて自分はケータイばっかりいじっている親、子どもをほったらかしにして友達とのおしゃべりに夢中になている親…
これでは子どもがかわいそうです。
子どもは親が思っている以上に寂しい思いをしています。もっともっと関わる時間を作ってあげましょう。
子どもの感情をおさえつける
子どもは素直です。嬉しいときには笑い悲しいときには大声で泣きます。
そんな時、『うるさい!』と怒ってしまうことはありませんか?
これが当たり前になってしまうと、子どもは自分の気持ちがわからなくなり、素直に感情を表現できなくなってしまいます。
基準が高く、できない子どもを批判する
人間はそれぞれ力量が違います。
それなのに毒親は高い基準で子どもを見てしまうため、自分の基準をクリアできないと『できないね』『ダメだね』と批判してしまいます。
批判ばかりされれば大人だってやる気をなくすし、自信だって持てなくなりますよね。
子どもも同じです。批判され続けたら自分はダメな子なんだと思ってしまいます。
子どもの自由を認めない
言葉のDVをする人は精神的に相手を追い詰めていき、自分が絶対でいなくては気が済みません。
被害者はいつも加害者のご機嫌を伺って、加害者が怒らない選択をしなくてはいけません。
親子においても同じで、子どもはとても敏感なので『本当はこうしたいけどママに怒られるからこう言おう』と自分の意見ではなく親の意見を代弁するようになってしまいます。
反抗すれば『お前なんて生むんじゃなかった』などとひどいことを言われるので、習い事や進路、友達付き合いさえも親の言う通りする子どももいます。
子どもの考えを否定する
子どもが何かを一生懸命考えてやり遂げた時、きっと一番に褒めてもらいたい相手は親でしょう。
しかし毒親は『全然できてない』『それは間違ってる』と子どもの行いを否定します。
せっかく達成感に満ち足りていた子どもはその一言でどん底に突き落とされ、自信を失います。
子どもは親に言われた言葉をそのまま受け止めます。
親が『お前は頭が悪くて勉強ができない』と言えば子どもは自分は頭が悪くて勉強ができないと思い込んでしまいます。
子どもと一緒に成長しよう
人は20歳になると成人として認められ大人の仲間入りをします。
しかし大人の仲間入りをしたからといって何かが急に変わるわけではありません。
人は大きな環境の変化が訪れた時に自分も大きく変わります。
その一つが親になった時ではないでしょうか?
あなたが親になった時、あなたには守るべき家族ができました。
生まれたての赤ちゃんは何一つ自分でできません。
何をしても泣き止まない、なかなか寝てくれない、自分の時間が全く取れないなど、親の苦労は計り知れないものです。
その度にイライラしたり、子育てが嫌になったりするのは当たり前のことです。
それは決して悪いことではありません。
赤ちゃんが生まれたてということは親も生まれたてなんです。
だから急がずに自分も子どもと一緒に成長しましょう。
親にとって大事なことは立派な親になることではなく、子どもが自分の人生を楽しいと思えるように、生まれてきてよかったと思えるように育ててあげることではないでしょうか。
まとめ
親にとって子どもがかけがえのない存在であるように、子どもにとっても親は何よりも大切な存在です。
そんな存在から受ける影響はとても大きなものです。
親から言葉のDVを受けた子どもは自信をなくしたり、感情表現や人付き合いが苦手な大人になってしまいます。
もちろん子どもが悪いことをした時に叱ることは大切です。善悪を教えるのも親の役目です。
しかし、それは言葉や暴力でねじ伏せることとは違います。
感情任せに怒るのではなく、子どもの心に届くように愛情を持って伝えてあげましょう。
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